要介護1と要介護2は何が違う?|使えるサービスの量と選び方

市役所から届いた封筒を開けると、「要介護2」という三文字が書かれています。介護が必要だと認められたことは分かるものの、それが何を意味するのかまでは書いてありません。

結論から申し上げます。要介護度によって変わるのは、主に1か月に使えるサービスの量の上限です。要介護1だから訪問看護は使えない、要介護2にならないとデイサービスに通えない、といった種類の制限があるわけではありません。

要介護1と要介護2で、実際に何が変わるのか

高槻市が公表している資料(令和7年10月版)では、1か月の利用限度は要介護1が16,765単位、要介護2が19,705単位とされています。差は2,940単位です。

この差がどのくらいの量にあたるのか、具体的に見てみます。通所介護(デイサービス、通常規模型で8時間以上9時間未満の利用)は要介護2で1日791単位ですから、月に3日ほど多く通える計算になります。訪問介護の身体介護(30分以上1時間未満)なら1回387単位なので、7回分ほどです。実際にはサービスに応じた加算も限度額の中で数えるため、これより少なくなります。

つまり区分の違いは、選べるサービスの種類ではなく、積める量の差だと考えていただくと、実態に近くなります。

そもそも区分はどうやって決まるのか

決め手は病名ではなく「介護の手間」

要介護認定は、認定調査員による聞き取り調査と主治医意見書をもとに、まず全国共通の基準でコンピュータが一次判定を行い、その結果に特記事項と主治医意見書を加えて、医療・保健・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が二次判定を行うという二段構えで決まります。

高槻市の資料にも、要介護認定は介護の手間がかかることによる介護サービスの必要な程度を判定するものであるため、病気の重さと要介護度が一致しない場合がある、と明記されています。実際、治療中の病気があってもご自分の身の回りのことはできる方が軽い区分になり、身体的な病名が少なくても認知症のために常時の見守りが要る方が重い区分になる、ということは起こります。

要支援2と要介護1の分かれ目

要支援2と要介護1は、状態像としては同じ説明がされています。高槻市の資料でも両者はひとまとめに「日常の身の回りのことに手助けや見守りなど支援や介護が必要」と示されており、そのうえで、認知機能の低下がある場合、または短期間で介護の手間が増えるおそれが高いと判定された場合に要介護1になる、と説明されています。

状態像は近くても、この一段の差で仕組みが変わります。要支援の方のケアプランは介護予防支援として作られ、要介護の方は居宅介護支援になります。要支援の場合にどこがケアプランを作るのかは、「高槻市でケアマネジャーを探す方法」で整理しています。

区分ごとに使える量の上限が決まっている

在宅で利用するサービスには、要介護度に応じた1か月あたりの利用限度額が定められています。高槻市の資料に載っている数字は次のとおりです。

要介護度1か月の利用限度1単位10円換算の目安
要支援15,032単位約50,320円
要支援210,531単位約105,310円
要介護116,765単位約167,650円
要介護219,705単位約197,050円
要介護327,048単位約270,480円
要介護430,938単位約309,380円
要介護536,217単位約362,170円

限度額は金額ではなく単位で決まっており、1単位あたりの単価はサービスの種類と地域によって異なります。高槻市は介護報酬の地域区分でいう4級地にあたり、たとえば訪問介護は1単位10.84円、通所介護は10.54円で計算されます。上の表の金額は、あくまで1単位10円で換算した目安とお考えください。

限度額を超えてサービスを使った場合、超えた分は9割や8割の給付がなくなり、全額が自己負担になります。自己負担割合そのものの考え方については「介護認定前でもケアマネジャーに相談できる?」で触れています。

区分別に見る、サービスの組み立て方の目安

以下は、あくまで量的なイメージです。実際に何をどう使うかは、ご本人の生活とご希望をもとにケアプランで決まります。

要支援1・要支援2

週に1回から2回程度の利用が中心になる段階です。デイサービスに通って人と会う機会をつくる、掃除や買い物を手伝ってもらう、といった組み立てが多くなります。今の生活機能を保つことに重心が置かれます。

要介護1・要介護2

通所と訪問を組み合わせはじめる段階です。週2回から3回の通所に、入浴や排泄の介助のための訪問介護を加える。あるいは通所を減らして訪問看護やリハビリテーションを入れる。この区分は選択肢の幅が広く、同じ要介護2でも組み立て方はご家庭によってかなり違います。ご家族が働いている場合は、日中の時間をどう埋めるかが論点になりやすいところです。

要介護3以上

毎日何らかの支援が入る段階です。通所に加えて訪問介護を1日複数回入れる、家族の休養のために短期入所(ショートステイ)を定期的に組み込む、といった形になります。特別養護老人ホームの新規入所も、この段階から検討の対象に入ってきます。

区分によって変わること、変わらないこと

限度額のほかにも、区分によって扱いが変わるものと、変わらないものがあります。

・福祉用具貸与のうち、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフトは、要支援1・2と要介護1の方は原則として給付の対象になりません(状態によって例外が認められる場合があります)

・特定福祉用具の購入費(年間10万円まで)と住宅改修費(原則20万円まで)は、区分にかかわらず同じで、1か月の利用限度額とも別の枠です

・居宅療養管理指導は、1か月の利用限度額の対象外です

・特別養護老人ホームの新規入所は、平成27年4月の制度改正により原則として要介護3以上となりました。ただし要介護1・2の方でも、特例の要件に該当しやむを得ない事情が認められた場合は入所できます

・ケアマネジャーに支払う費用は、どの区分でも自己負担はありません

医療系のサービスをケアプランに入れる場合は、区分とは別に主治医の指示が必要になります。この点は「医療ニーズの高い方のケアマネジャー選び」で詳しく説明しています。

状態が変わったと感じたら

認定には有効期間があります。高槻市の説明では、新規申請と区分変更申請の場合は原則6か月、更新申請の場合は原則12か月とされ、状態によって短縮・延長されることがあります。更新の時期が近づくと、市から満了の60日前に案内が届きます。

有効期間の途中でも、心身の状態が変わった場合は区分変更の申請ができます。退院した、転倒して動けなくなった、認知症の症状が進んだ。そうした変化があったときは、更新を待つ必要はありません。

認定結果そのものに疑問がある場合は、まず高槻市の長寿介護課(要介護認定・保険給付について、電話072-674-7167)にご相談ください。市の説明に納得できない場合には、大阪府介護保険審査会に審査請求をする道もあります。審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う必要があります。

よくあるご質問

区分が上がると、自己負担も増えるのでしょうか

使うサービスの量が増えれば、その1割から3割にあたる自己負担も増えます。ただし区分が上がったこと自体で負担割合が変わるわけではありません。負担割合は前年の所得などをもとに決まり、毎年交付される介護保険負担割合証に記載されています。

要介護1でも、デイサービスに毎日通えますか

制度上「通えない」わけではありませんが、限度額の中には収まりません。要介護1の限度は16,765単位で、通所介護は1日あたり600単位台から700単位台を使いますので、週2回から3回程度が現実的な範囲になります。それを超える分は全額自己負担です。

同じ要介護2でも、人によって使っている内容が違うのはなぜですか

限度額は同じでも、その枠の中に何を入れるかはケアプランで決まるためです。ひとり暮らしか同居家族がいるか、通院の頻度、ご本人が何を望んでいるか。同じ区分でも組み立ては変わります。

限度額を超えたらどうなりますか

超えた分は全額が自己負担になります。ただし超えることが分かっていれば、事前に調整することも、あえて自費で足すことも選べます。ケアプランを作る段階で、限度額に対して今どのくらい使っているかを確認しておくと安心です。

更新のときに区分が下がることもありますか

あります。状態が改善すれば軽い区分になり、使える量の上限も下がります。下がった結果、それまで使っていたサービスが限度額に収まらなくなることもありますので、更新の結果が出たら早めに担当のケアマネジャーにご相談ください。

区分を見て次に何をするか、一緒に考えます

カサージュ・ケアプランセンターは高槻市の指定居宅介護支援事業所です。
認定結果を受け取ったあと、限度額の中でどう組み立てるかを考えるのが、ケアマネジャーの仕事です。
複数の主任介護支援専門員が在籍し、看護師資格を保有している管理者やケアマネジャーがおりますので、医療的な支援が必要な方のご相談にも対応しています。
認定結果は出たけれど何から手をつければよいか分からない、要支援から要介護に変わった、想定より軽い区分で困っている、区分変更を考えたほうがよいか迷っている。どの段階のご相談でも承ります。
また、遠方にお住まいのご家族からのお問い合わせにも対応しています。 まだ利用するかどうか決めていない、という段階でも構いません。話を聞いてみて合わないと感じたら、そこで終わりにしていただいて差し支えありません。 ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
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