遠方から高槻市の実家の親を支える|離れていてもできる介護の組み立て方
久しぶりに帰省したら、冷蔵庫の中身が傷んでいた。同じ話を何度も聞かされた。壁づたいに歩いている。電話では「変わりない」と言っていたのに、家に入って初めて分かることがあります。
離れて暮らしていても、できることは思っているより多くあります。要介護認定の申請は代行できますし、手続きの多くは電話と郵送で進みます。難しいのは手続きよりも、日常を見ている人がいない状態をどう埋めるかです。この記事では、高槻市で使えるしくみを挙げながら、その組み立て方を整理します。

遠方でもできること、できないこと
先に整理しておくと、要介護認定の申請は、指定居宅介護支援事業所や地域包括支援センターが代行することができます。また、要介護認定の申請を依頼する際、未契約でも対応してもらえることもあります。ケアマネジャーとの連絡は電話やメールで取れますし、急ぎでサービスの利用を必要としないと考えられるのであれば、契約を帰省のタイミングに合わせて組むこともできます。
一方で、離れていると難しいのは、日々の小さな変化に気づくことです。薬が正しく飲めておらず減っていない、ゴミが出せていない、買い物に行かなくなった、同じものが冷蔵庫にたくさんある。こうした情報は、その場にいる誰かからしか入ってきません。遠距離での介護は、この「見ている人」をどれだけ確保できるかにかかっています。
最初にやっておく三つのこと
実家を担当する地域包括支援センターを確認する
高槻市には地域包括支援センターが市内12か所あり、町名ごとに担当地区が決まっています。実家の町名から担当センターを調べて、電話番号を控えておいてください。保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などが配置されていて、介護保険の申請前の段階からの相談を受け付けています。遠方にお住まいのご家族からの電話相談もできます。
親の情報を一か所にまとめる

かかりつけの医療機関と診療科、服用している薬、健康保険証と介護保険被保険者証の保管場所、年金や公共料金の引き落とし口座、近所で親しくしている方の連絡先。これらが分からないまま体調が悪化することがあると、遠方からでは何も動かせません。帰省したときに、書き出して写真を撮っておくだけでも違います。
本人の意向を先に聞いておく
離れて暮らす家族は、離れているぶん心配が先に立って話を進めたくなります。ただし、ご本人が、家を離れたくないのか、誰かに家に入られるのが嫌なのか、費用が心配なのか、そのような気持ちを無視して、一方的に手配を進めると、せっかく契約したサービスが使われないまま終わることがあります。介護保険サービスの利用を反対されたとしても、理由を聞いておくと後の組み立てが変わります。
要介護認定の手続きは、離れていても進められる
申請の窓口は高槻市役所本館1階の長寿介護課(7・8番窓口)ですが、指定居宅介護支援事業所や地域包括支援センターが申請を代行できます。ご家族が高槻市まで出向く必要は必ずしもありません。
主治医意見書について、高槻市は少し手厚い運用をしています。主治医が高槻市または島本町以外にいる場合と、大阪医科薬科大学病院の場合は、市から直接依頼が行くため、申請時に意見書を用意する必要がありません。ただし受診の際には、ご本人かご家族から主治医に意見書作成の声かけをしてほしい、と市の資料に記載があります。
認定調査は、ご自宅で聞き取りが行われます。日程はある程度調整できますので、日程調整の連絡先をご家族にして、帰省の予定に合わせられるかを相談してみてください。認定申請から利用開始までの流れは「介護認定前でもケアマネジャーに相談できる?」で詳しくまとめています。
「見ている人」を増やす、高槻市のしくみ

介護保険のサービスだけでは、見守りの空白は埋まりません。高槻市には、介護保険とは別の高齢者向けの事業がいくつかあります。
安否確認と、緊急時の備え
・配食サービス
栄養バランスのとれた夕食を月曜から土曜の週6回を限度に配達し、その際に安否確認も行います。健康状態に異常があれば関係機関に連絡が入ります。相談は福祉相談支援課または地域包括支援センターで、申請は地域包括支援センターやケアマネジャーからの代理申請となります
・緊急通報装置の設置
ボタンひとつで通報できる装置を貸与します。市の案内では、装置のみで月額907円、熱感知センサーを含めて月額1,688円、固定電話回線を設置できない方向けのモバイル端末型が月額1,089円で、市民税非課税世帯は無料または減額されます。自宅玄関の合鍵を委託業者に預けることが条件です
・救急医療情報キット
持病、かかりつけ病院、緊急連絡先などを記入して冷蔵庫に保管しておくもので、救急隊が駆けつけたときに情報を素早く把握できます。配付は無料です
・高齢者地域支えあい事業と生活支援サポーター事業
地区福祉委員会による見守り・声かけ訪問や、買い物や外出時の付き添いといったちょっとした手伝いを、ボランティアが担います。問い合わせは高槻市社会福祉協議会(電話072-674-7497)です
緊急連絡先の欄に、遠方に住むご家族の携帯番号を必ず入れておいてください。連絡先が実家の固定電話しか登録されていないと、ご家族に連絡がつかないまま時間が過ぎる、ということが起こり得ます。
認知症の心配があるとき
高槻市には、行方不明になるおそれのある方の情報を事前に登録しておく行方不明高齢者SOSネットワークがあります。あわせて、二次元コード付きのシールを配付する見守り安心ネットワークシールや、位置検索システムを使う行方不明高齢者家族支援サービスも用意されています。いずれも登録や相談の窓口は福祉相談支援課(電話072-674-7171)です。
ケアマネジャーとの連絡の取り方を、最初に決める
遠距離の介護では、ケアマネジャーからの情報が、ご家族にとって実家の様子を知るほぼ唯一の窓口になります。だからこそ、連絡の取り方を最初に決めておくかどうかで、その後の負担がかなり変わります。
決めておきたいのは三つです。連絡手段(電話かメールか、時間帯はいつがよいか)、報告の頻度(月1回の訪問後に必ず一報を入れてもらうなど)、そして緊急時に誰から誰へ連絡するかの順番です。
サービスの内容を決めるサービス担当者会議についても、遠方だからと諦める必要はありません。電話やオンラインでの参加ができないか、担当のケアマネジャーに相談してみてください。
遠方のご家族から、ケアマネジャーからの連絡があまりなく実家の様子が分からない、というお話をうかがうことがありますが、連絡の頻度や、どんな情報を教えてほしいかは、最初に伝えておけば調整できることがほとんどです。何が知りたいかを具体的に言葉にしておくと、伝わりやすくなります。
費用と、帰省の負担をどう考えるか
令和8年現在、ケアマネジャーに支払う費用はありません。居宅介護支援の費用は全額が介護保険から給付されます。その他の介護サービスの自己負担は、要介護度に応じた利用限度の範囲で1割から3割になります。介護度ごとの限度額については「要介護1と要介護2は何が違う?」で整理していますので参考にしてください。
遠距離の介護で見落とされやすいのが、交通費と、帰省のために使う休みです。心配するあまり、毎週末帰るという計画を立てても、たいてい長続きしません。実家に帰るのは、1~3か月に1回程度に抑え、そのぶん平常時は地域のしくみで支える、という設計のほうが長い目で見た時に続きます。また、特定の家族に負担がかからないようにすることも大切です。
介護サービスの利用料の支払いの方法は、口座振替にしておき、滞納がないようにしておくと良いでしょう。ただし、介護保険サービスの利用料は、事業所ごとに支払い方法が異なりますので、契約時に確認してください。
よくあるご質問
親が高槻市に住んでいて、私は別の県にいます。相談は誰にすればよいですか
実家の町名を担当する地域包括支援センターか、高槻市内の居宅介護支援事業所にご相談ください。ご本人ではなくご家族からの電話相談も受け付けています。まだ要介護認定を受けていない段階でも構いません。
親が「まだ大丈夫」と言って、サービスを使いたがりません
よくあることです。すぐに全部を整える必要はありません。介護保険のサービスではなく、配食サービスのように生活の中に自然に入るものから始めると、受け入れられることがあります。認定だけ先に取っておいて、使うかどうかは後で決める、という進め方もできます。ただし、ケアマネジャーは原則として介護サービスを利用されている方に対しての支援を行いますので、配食サービスなどの保険外サービスのみの利用だと継続した相談が困難になることが考えられます。
認定調査に立ち会えない場合、実際より軽く判定されませんか
ご本人が調査員の前だと「できます」と答えてしまう、という場面は実際にあります。立ち会えない場合は、普段できていないことを具体的に書いたメモを事前に渡しておいてください。ケアマネジャーが決まっていれば、その内容を調査員や市に伝えることもできます。
帰省せずに契約まで進められますか
契約時には、重要事項説明書などの説明を受けたうえで署名や押印が必要になります。郵送でのやり取りに対応する事業所もありますので、遠方である事情を最初に伝えて、進め方を相談してください。
親の状態が急に悪くなったとき、遠方の家族は何をすればよいですか
担当のケアマネジャーと、緊急時の連絡順を事前に決めておくことが、いちばん確実な備えになります。入院した場合は、病院の地域連携室とケアマネジャーが連絡を取り合いますので、ご家族はまず双方に一報を入れてください。ケアマネジャーは入院時の手続きなどをご家族の代わりに実施することはできないのでご留意ください。
遠方にお住まいのご家族からのご相談も承ります
| カサージュ・ケアプランセンターは高槻市の指定居宅介護支援事業所です。 遠方にお住まいのご家族からのお問い合わせにも対応しており、電話でのご相談から始めていただけます。主任介護支援専門員が在籍し、管理者をはじめ複数のケアマネジャーが看護師資格を保有していますので、医療的な支援が必要な場合のご相談にも対応しています。 実家の親の様子が心配だが何から始めればよいか分からない、要介護認定をまだ申請していない、帰省のタイミングに合わせて手続きを進めたい、いま担当してもらっている事業所からの変更を考えている。どの段階のご相談でも承ります。 まだサービスを使うかどうか決めていない、という段階でも構いません。話を聞いてみて合わないと感じたら、そこで終わりにしていただいて差し支えありません。 お気軽にお問い合わせください。 【お問い合わせ】 カサージュ・ケアプランセンター 電話:072-628-7892 受付時間:9:00~17:00 土日祝除く |
